音楽療法の歴史
近代の音楽療法が始まったのは、20世紀初頭のアメリカで発祥しました。
音楽療法が科学的に明らかになってきたのは、第2次世界大戦を経験した戦争帰還兵が
戦争ストレスを浴び心身症的不健康に悩まされていた時に、どのような医療治療でも回復できず、
音楽療法のみ治療できたことから始まったとされています。
音楽療法の定義について
全日本音楽療法連盟によると、「音楽療法とは身体的な面ばかりでなく心理的にも社会的にも
よりよい状態(well-being)の回復,維持,改善などの目的のために治療者が意図的に音楽を使用
すること」とされています。
音楽療法
音楽療法は、音楽療法士が音楽のさまざまな機能を活用し、対象者と交流を持ちながら
治療目的に向かって音楽を使用していきます。対象となるのは身体,知的,精神に障害をもった方
から健常者まで幅広く適応されています。
音楽療法では対象者のニーズや好みや能力に応じて、民謡,演歌,ポピュラー音楽,童謡,
ジャズ,ラテンなどの 外国曲、クラシック,ダンス音楽などの既成曲や、
その場で作られる音楽(即興)が使用されています。
また、川のせせらぎや小鳥のさえずりなどの環境音楽も療法の手段の1つとなっています。
日本の音楽療法
日本の音楽療法は1970年より各人格様に行われてきました。
日本では、音楽療法をするための方法としていくつかの音楽活動が行われています。
歌唱,鑑賞,楽器(即興演奏,合奏など),鑑賞,動き,ダンスなどです。
対象者によって音楽や活動形態はそれぞれ使い分けられますが、音楽は媒体にすぎません。
音楽を使用しながらコミュニケーションをはかり、対象者のできるところに焦点をあてる事で
自分は何も出来ない、もうダメだと思っている方でも楽しみながら音楽活動する事で、達成感や
満足感を味わう事ができます。
この体験はいつのまにか自分の殻を破る事ができ、音楽を適切に使用することによって
QOL(生活の質)の向上へとつながり、人が人らしく生きていく上で大きな影響を及ぼす事が
できます。
音楽療法の効果
様々な芸術の中でも、音楽ほど直接的に内面に訴えかけるものはないと思われます。
音楽の生理的な影響(血圧,心拍,不快感,痛みなど)は、身体に影響を与えます。
刺激的な音楽は心身ともに興奮させ、鎮静的な音楽は心身の興奮や苛立ちを鎮める作用があります。
また、音楽により特定の記憶や思い出が回想され、交流のきっかけを作ります。
これは、高齢者の音楽療法の中では非常な重要な役割を果たしています。
その他の音楽の効果として、気分転換,ストレス発散,自主性を促す,
交流を円滑にする,引きこもりの予防 うつや問題行動の軽減などがあげられます。
音楽療法の中で「同質の原理」というものを用いて音楽を提供していく事があります。
雨が降ったりすると憂鬱な気分になります。そのような場合には、同じ気分に近い少し暗めの音楽を
探して使用し、少しずつ明るめの曲を提供していく事で気分が快方へと向かっていきます。

このように音楽には様々な機能や効果がありますが、
これは音楽が人間の心にダイレクトに入ってくるためと考えられているからです。
いつの時代でも音楽によるノンバーバルコミュニケーションは可能なため、音楽は多くの治療手段が
考えられ、全人的医療には最適な方法だと思われます。