岡田佳子のアートセラピーレポート
高齢者施設での「色遊び」
〜ワークショップレポート〜/岡田佳子
 

場所:  生協診療所や特別養護老人ホームにて
時間: 1時間〜1時間30分 毎月1回
参加者:65歳以上 障害又は痴呆のある方 男女6名〜13名
内容: ぬり絵・写生・自由画・ちぎり絵・粘土遊び等
画材: 水彩絵の具・色鉛筆・クレヨン・クレパス・クーピー
     和紙・折り紙・粘土

感想

この「色遊び」ワークショップでは120色位の
カラードレープを見て、好きな色を選んだり
体に当ててみたりする事から始めました
日常の生活の中で色を選んだり、楽しんだりする機会の
少ない高齢者の方々が、色から連想する趣味や
思い出話に会話が弾み明るくなってきています
作品が完成した時には皆、満足そうな、おだやかな表情をされ
    私の方が癒される思いです
    又、色の感じ方が瑞々しくなり、自分なりの
    こだわりも出てきて精神的に若返っています
感性は年齢に関係なく成長していくものだと実感します
気ままに描いたり作ったりする事は楽しいイメージを心に
思い浮かべ気分を活性化しているようです
そして、それが病気や老いの不安やストレスを和らげ
生きる意欲にもつながっていると確信します

気づかう点

ひとりひとりに体調などの様子を伺い親しい仲になる
耳が遠い、疲れやすい、集中力が続かない等ペースを考慮する
各々の好みに応じる、全て受け入れるようにする
季節の花や果物等、題材は旬を取り入れる
製作の過程を認め、出来上がった作品は大いにほめる
次回への希望をもたせる様に話しかける

熱中!

筆を持つのは何十年ぶりという方ばかりなので
始めは皆「やったことないから描けない」と
ためらっていたが、手助けして一緒にやりかけると
自分なりの色や形にこだわり
一生懸命にぬり絵などを仕上げています

色彩感覚

両足・右手・言葉が不自由なおじいちゃんは
鉛筆で黒い丸をぬりつぶしたものをたくさん
描いていたが、しだいに色を塗るようになり
ある時、きれいな千代紙を切り貼りした作品を作りました
出来上がった時の満足そうな顔が印象的で
それ以来きれいな色を使って、ぬり絵や貼り絵を
するようになり、表情もやわらいできました

記憶

幼稚園の先生の経験があるおばあちゃんは
折り紙が上手で人形や動物、果物など、いろいろ作って
見せてくれました。折り紙をしているうちに
幼稚園の先生をしていた頃の記憶が蘇ったようで
当時の話を聞かせてくれました
そして、ちぎり絵、写生なども色使いや技法に秀でて
すばらしい作品をたくさん作っています

意欲!

ある、おばあちゃんは手、足、内臓が弱く
力を入れなくても、サラッと色が塗れる水彩絵の具を好んでいます
初めは原色をそのまま塗る事が多かったのですが
しだいに気に入る色を混ぜて作ったり、重ね塗りして
微妙な風合いを出したり、絵の横に言葉を添えたりと
工夫して自分なりのすばらしい作品を作るようになりました
その努力を大いに誉めてあげると、とても満足そうで
次の題材や作り方も提案してくるようになっています